改善事例

表示速度改善の進め方:効果が大きい施策から着手する方法

「表示速度を改善したいが、何から手をつければいいか分からない」――Mobilisticaが運営する複数サイトの診断でも、共通してつまずくのはここです。表示速度改善とは、PageSpeed Insightsなどで計測される読み込み時間を、実際のユーザー体験に近い形で短縮する取り組みのことです。総務省の調査によると、平日のインターネット平均利用時間は181.8分(前年比+8.2分)、休日は183.7分(同+4.0分)に達しています。出典は令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査です。その多くはスマートフォン経由であり、表示が遅いサイトはこの限られた時間の中で真っ先に離脱されていきます。

この記事でわかることは次の3点です。

  • 表示速度改善の施策を「効果の大きさ×実装の手間」で比較した一覧表
  • 優先度別に、どの施策から着手すべきかの進め方
  • 実際にありがちな失敗と、その避け方

経済産業省の調査によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円(前年比5.1%増)、EC化率は9.8%まで拡大しています(令和6年度電子商取引に関する市場調査)。Mobilisticaでは今後もEC市場が伸びる中で、表示速度がコンバージョンを左右する場面が増えていくと見ています。実際にPageSpeed Insightsのスコアを上げたい人向けに、公開時点の情報として整理しました。

表示速度改善とは?何から手をつけるべきか

表示速度改善とは、ページの読み込みからユーザーが操作できるようになるまでの時間を短縮する一連の対策のことです。まず優先すべきは「勘で施策を選ぶ」のではなく、無料診断ツールで現状のボトルネックを特定するところから始まります。

なぜなら、サイトによって遅い原因はまったく異なるからです。画像が重いサイトもあれば、プラグインの多さでJavaScriptが肥大化しているサイトもありますし、サーバーの応答自体が遅いケースもあります。原因を特定せずに施策リストを上から順に試すと、効果のない作業に時間を取られます。Mobilisticaが自社サイトを診断したときも、想定と違う原因(Webフォントの読み込み方式)が最大のボトルネックでした。

施策比較表:効果の大きさ×実装の手間×向いているケース

代表的な施策を、効果の大きさと実装の手間で整理すると次のようになります。診断結果で該当した項目から、この表を目安に着手順を決められます。

施策 効果の大きさ 実装の手間 向いているケース
画像の圧縮・次世代フォーマット化 小〜中 商品写真やアイキャッチが多いECサイト
ブラウザキャッシュ・CDNの活用 アクセス数が多い、海外ユーザーがいるサイト
不要なプラグイン・スクリプトの削除 中〜大 WordPressサイト全般
Webフォントの読み込み方式の見直し 見出し・本文がテキスト主体のサイト
サーバー・ホスティングの見直し 大(移行の手間) 慢性的にサーバー応答(TTFB)が遅いサイト

一方で、効果が大きい施策ほど実装の手間もかかる傾向があります。手間の小さいものから着手して数値の変化を確認しつつ、効果の大きい施策に段階的に進むのが現実的な組み立てです。

例えば商品写真を多く扱うECサイトであれば、画像の圧縮と次世代フォーマット(WebP/AVIF)への変換だけでも、ページ全体の転送量が大きく減ることがあります。実装の手間も比較的小さいため、最初の着手先としてよく選ばれます。一方でサーバー・ホスティングの見直しは効果こそ大きいものの、移行作業やデータ移し替えの手間が発生します。他の施策を一通り試した後の最終手段として位置づけるのが無理のない進め方です。プラグインの追加・削除だけで完結する施策と、インフラそのものに手を入れる施策とでは、必要な準備期間がまったく異なる点も見落としやすいポイントです。

優先度別のおすすめの進め方

実際に表示速度を改善する人の多くは、次の順番で進めています。

多数の施策から効果の大きい1つに優先順位を絞り込むイメージ
効果と手間を見比べながら優先順位を絞り込むイメージ
  1. ステップ1:無料診断ツールで現状のボトルネックを特定する

    Mobilisticaが公開しているモバイルECサイト無料診断では、URLを入力するだけで、どの項目から直すべきかを優先順位付きで確認できます。登録不要・診断結果はブラウザ内で生成されるため、サーバーに保存されることもありません。

  2. ステップ2:手間の小さい施策から着手する

    不要なプラグインの削除や画像圧縮など、実装の手間が小さい施策から着手します。Mobilisticaが運営するECサイトでは、画像とキャッシュの見直しだけでモバイルPageSpeedスコアを28点から76点に改善した実測記録があります。

  3. ステップ3:LCPなど個別指標を深掘りする

    スコアの伸びが鈍化してきたら、LCP・INPなど個別指標の深掘りに移ります。LCPの原因切り分けと対策の手順はLCP改善の手順:原因の特定から実践まで【自社実測データ付き】で具体的にまとめています。

  4. ステップ4:Before/Afterを記録し、定期的に再診断する

    施策を実施するたびに同条件で再計測し、数値の変化を記録します。サイト更新でスコアが再び下がることもあるため、定期的な再診断が実務上は現実的なペースです。

注意点・よくある失敗

表示速度改善でよくある失敗は、施策を同時に複数実行してしまい、何が効いたのか分からなくなることです。1つ変更したら必ず再計測し、効果を確認してから次に進む順番を崩さないことが実務上の分かれ目になります。

「ページエクスペリエンスシグナルは、Google検索のランキングで使われる複数のシグナルの一つです」(Google検索セントラル「Core Web Vitalsと検索結果」より)

※表示速度の改善はコンテンツの質を代替するものではありません。速さは土台であり、中身の充実が前提になります。もう一つの落とし穴は、「高速化」をうたうプラグインを入れただけで満足し、実際の計測値を確認しないことです。プラグインの導入後も、必ずPageSpeed Insightsなどで数値を確認する習慣が欠かせません。

よくある質問(表示速度改善 FAQ)

表示速度改善は何から始めればいいですか?

まず無料診断ツールで現状のボトルネックを特定することから始めます。原因を特定せずに施策を試すと、効果のない作業に時間を取られやすくなります。

表示速度と検索順位はどのくらい関係がありますか?

Core Web Vitalsはページ体験に関するランキングシグナルの一つとして使われています。ただしGoogle自身が案内している通り、数あるシグナルの一つという位置づけで、コンテンツの質を上回る効果はありません。

無料でできる表示速度チェックはありますか?

Mobilisticaが公開しているモバイルECサイト無料診断は、URLを入力するだけで無料で利用でき、会員登録も不要です。エンジニアの方はGitHub上のオープンソース版(CLI)も利用できます。

効果が出るまでどのくらいかかりますか?

施策自体は数分〜数十分で反映されるものが多く、Mobilisticaの実測記録でも、フォント修正1件で15分ほどの作業のうちにLCPが2.5秒以上短縮しています。反映後は同条件での再計測を忘れないようにしましょう。

全部の施策を一度にやる必要がありますか?

いいえ、一度にまとめて実施するのはおすすめできません。どの施策が効いたのか分からなくなるうえ、不具合が起きたときに原因を切り分けにくくなります。比較表の優先度が高いものから1つずつ実施し、そのたびに再計測して記録に残す進め方が実務では現実的です。

まとめ

要するに、表示速度改善は施策を手当たり次第に試すのではなく、効果の大きいものから順番に着手する組み立てが結果につながります。

  • まず無料診断ツールで現状のボトルネックを特定する
  • 手間の小さい施策から着手し、都度Before/Afterを記録する
  • スコアが伸び悩んだら、LCPなど個別指標の深掘りに進む

Mobilisticaでは、運営する複数サイトの実測データ(28点→76点、LCP5.76秒→3.22秒など)を今後も公開していきます。まずは自分のサイトでモバイルECサイト無料診断を試すところから始めてみてください。


※本記事は公開時点のPageSpeed Insights計測と公的統計をもとに作成しており、数値は今後更新される可能性があります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個人の見解を含む内容です。実際の改善効果はサイトの構成によって異なるため、ご自身のサイトでの再計測をおすすめします。
最終更新: 2026年7月26日
Mobilisticaの運営者情報はこちらをご覧ください。